一歩の写真散歩

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2014年 04月 05日

永遠のゼロ

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遅ればせながら百田尚樹さんの話題のこの本を読み終わりました。

買物の休憩で立ち寄るコーヒーショップで少しずつ読み進めたので時間を要したのですが

何度もこみ上げてくるものを抑えながらようやく読み終えました。


特攻隊員だった祖父のことを知りたくて元隊員を訪ね歩き60年の時を経て孫が知る

秘められた真実。

映画化もされ270万部を超えるベストセラーだそうですが、単行本が出たのは2006年とか。


巻末の解説は亡くなられた俳優で読書家としても知られた児玉清さんが書かれています。

この本の秀逸さを表している部分を『』で引用します。


『太平洋戦争とはどんな戦争で、どのような経過を辿ったのか。また、この戦争に巻き

込まれた我々日本人は、軍人は、国民は、その間どの様に戦いどの様に生きたのか。

国を護る為に戦わなくてはならなくなった若者達たちの心とは、命とは。

彼ら若者達を戦場に送り出したエリート将校たちの心とは、といったことを作者はものの

見事にわかりやすく物語の中にちりばめている...』


米国の工業力と大きな隔たりがあった時代にゼロ戦という優秀な戦闘機を生み出しながら

戦争の長期化と共に劣勢となっていった理由とは。真珠湾以降、人命を尊重する思想で設計

された戦闘機をはじめとする圧倒的な工業力と物量で反転攻勢する米国の底力。

私も本書は小説の形をとっていますが現代への示唆に富んだ歴史書でもあると思いました。


読んでいて数年前に訪れた鹿児島知覧の特攻平和会館のことを思い出しました。

特攻機と共にたくさんの辞世の句や家族への手紙が展示してあり胸が一杯になりました。

しかしこの本を読んで、これらの句や手紙の行間にこそ本当の思いが込められていた

ことを知らされました。


敗戦により時の権力に阿る変節したマスコミに扇動された一般国民からも戦陣に散った方

生き残った方、その家族までも罪人に貶められました。

罪深い一部のマスコミは今日でも意図的か浅はかなのかは別として特攻は狂信的な殉教

でありテロリストと同一視する向きも有る様です。

これは、9.11ニューヨーク貿易センタービルに代表される様な民間人を巻き込むテロ行為と

国、言いかえれば家族を守る為に命を賭して対空砲火を浴びながら艦船に体当たりしていった

行為を同一視するという愚かで許し難い見方です。


どの世代もそれなりに時代に翻弄された苦労があります。

団塊の世代、バブル世代、バブルがはじけた世代、そして大きな災害を被った世代。

しかし、先の戦争でこの世を自ら去らなければならなかった世代のことは今を生きる

者として決して忘れてはならないと心から思います。


戦争を体験した世代の人達はあまり語りたがりません。それは辛い記憶であることも

さることながら到底理解して貰えないという気持ちがある様に伺えます。


そういった意味からも一読に値する本だと思います。特にこれからこの国を担う若い

世代の人達に読んで欲しいです。

本を読んだ時の気持ちをもう一度、映画館でたくさんの人達と共有したくなりました。


by ippoippoiku | 2014-04-05 14:59 | books | Comments(2)
Commented by km0103 at 2014-11-26 16:47
こんにちは
初コメントです
私もこの本ではありませんが映画の「永遠のゼロ」を
見ました原作を読んでないので映像としてこの時代の真実を
知りました
エンドロールが流れる頃には涙も流れすすり泣く音があちこちで聞こえたのを思い出しました。
Commented by ippoippoiku at 2014-11-26 17:40
km0103さん コメントありがとうございます。
劇場での映画は残念ながらタイミングを逸してしまいました。
DVDで観たいと思っています。

百田さんの作品は緻密な資料、取材に基づいて人を描いて
いるので史実に重きをおいた専門的な戦史、歴史書のより
馴染みやすくその時代を知るのにはいいですね。


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