一歩の写真散歩

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2015年 02月 26日

港の顔

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港の風景として何を思い浮かべるかと問われてふと浮かんだのはこの光景だった。
午後4時前に接岸したこのリベリア船籍のフルコンテナ船は夜11時半に出港予定の様だ。

この巨大なガントリークレーンのオペレータは通称 "ガンマン"呼ばれるらしい。
物流の最先端、余程コンピュータ化が進んでいると思いきや、この呼び名が表す様に意外と
高度な匠の世界の様だ。数十トンのコンテナを吊上げ素早く積載位置まで運び、揺れを最小限に
抑えて止める技には唸った。正に時間との闘いだ。

TV番組"プロフェッショナル"で紹介され興味をそそられ二度程観た海上物流の最先端。
港の花形ではあるが、重い鋼鉄の箱を一日に数百個扱う危険な職場である。番組で紹介された方も
かつて死亡事故を経験し悩み、辛い思いを乗り越えて復帰したとのことだった。正に心技体の調和が
要求される厳しい職場だ。

この仕事に就くにはコンテナ埠頭の全ての車両のライセンスを取得し経験していなければ
ならない。番組の中でその理由が良く解るシーンがあった。雪で視界が悪く荷役が遅れがちな
状況の中、コンテナを受けるトレーラの到着が遅れる。
出港時間が迫る中、苛立って当然の状況であるが、取材スタッフに話すでもなくぽつりと
" 雪で滑りやすい中、運転手も目一杯で走ってくるんですよねえ...。"

船に積載するまでの一連の仕事を経験していることでそれぞれの持ち場の思い、苦労を
知っている。彼は遅れて到着したトレーラの運転手に苛立ちの言葉を吐くこともなく
コンテナをいつも以上にゆっくりと優しく荷台に下ろした。苦労を共にする仲間への
労いと思いやりを示す彼なりの流儀であろう。

今夜も煌々とした照明の下では物流のプロ達が出港に間に合わせるべく黙々と荷役に励んで
いることだろう。遠くて見えないが流れる様なチームワークで荷をさばく男達の姿が目に浮かんだ。

表面的な印象だけでシャッターを切るのではなく一歩踏み込んで被写体を理解することで
また違った写真が撮れるのかも知れない。

(後記)
撮影場所の構図の制約と風の影響もありピンが上手くとれませんでした。
またチャレンジしてみたいと思います。



by ippoippoiku | 2015-02-26 18:09 | 港・船 | Comments(2)
Commented by km0103 at 2015-03-03 16:32
こんにちは
ガンマン、私もTVを見ていました
朝一でオペレーションルーム上がれば仕事が終わるまでここで過ごし
食事もトイレもここで済まし確か電子レンジも有りましたね
生憎、高松には確か今はガントリーは1基だけと寂しいです
Commented by ippoippoiku at 2015-03-04 01:20
コメントありがとうございます。
観てらっしゃいましたか。コンテナ輸送の時代になってから
港で働く男達も一昔前と違って内に静かな男気を秘めたプロ
って雰囲気でしたね。
コンテナターミナルは関係者以外近づけないので撮影場所に
苦労しますが魅力ある被写体です。


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